「変動金利は、上がるかもしれないデメリットがあるからなぁ」
「金利が上がるのは、怖いなぁ」
誰しもが一度は考えたことがある、変動金利の金利上昇リスク。
今回は、変動金利の今後の見通しを一緒に考えていきましょう。
金利が決まる仕組みを知らないと、何となく上がるかもしれないという、言いようのない不安にずっと悩まされることになります。
ですが、仕組みがわかれば、変動金利の怖さは消えると思います。
そんな「なぜ」上がるのか、下がるのか、その理由について経済のお話を交えながら考えていきましょう。
もくじ(タップできます)
まずは前回の投稿を読んでね!
今回の記事は、変動金利について書いた最後の記事になります。
まずは、先に書いた変動金利の記事をご一読ください。
たぶんですが、ここから読むと話のつじつまが合わない内容が多くなってしまうと思います。
変動金利のリスクと向き合う【金利が上がった場合をシミュレーションしてみる】
結論からいうと変動金利はしばらくは大きく変化しない
まずは結論からお話していきたいと思います。
変動金利はしばらく、大きく上がることも下がることもないと思います。
現在の状況として月初めに金利が決まるのですが、
「今月は0.01%上がりました(下がりました)」
と、小さく上がったり下がったりを繰り返しています。
現在の金利は1%を切る、0.4%ぐらいの金利です。
何となく毎回この0.〇%の金利を見ているので当たり前のように感じますが、実は超絶に安い金利です。
今現在の金利が特別安いということは、忘れないでください。
さて、そんな最安値の金利ですので、これ以上大幅に下がることは考えられません。
と考えると逆に、上がることに関しては青天井か?
と思いますが、上がることに関しても当面のところ気配はありません。
それでは、なぜ金利が上がらないと予測するか、かんたんな経済の話もからめながら、一緒に考えていきましょう!
とよくま
変動金利の金利の仕組みを解説!【短期プライムレート=政策金利】で決まっている
政府(日銀)は2%物価を上げたいと考えてる
まず大前提として、日銀は年2%物価を上げたいと考えています。
物価と金利、どんな関係があるのでしょうか。
物価が上がるというのは、好景気か不況かでいえば、当然好景気の状態ですね。
とよくま
ぽちざいふ
日銀は、好景気を誘発するために、金利を意図的に操作し、下げているのです。
とよくま
ぽちざいふ
図にもありますが、
- 金利を低くする
- 企業がお金を借りやすくなる
- 設備投資などにお金を使う
- 新商品を開発・生産
- モノが売れるようになる
- お給料が上がる
- 雇用の安定
- モノを買う
- 世の中にお金がまわる
このように、人がお金を使う時は、良い状況だから使おうと思います。
ぽちざいふ
良くない状況だなと思えば、財布のヒモは固くなりますよね。
つめ太
つまり金利が低いのは、日銀が景気を良くしようとしている政策の副産物であると考えていいと思います。
とよくま
デフレは大きな視点で考えると悪い状況
デフレ。 と聞くと、消費者の観点ではうれしくなっちゃいますよね。
何と言っても、モノが安いのは助かります。
「安い!サイコー!」
と思いますよね。
ですが、より大きな視点、国全体のメリットとして考えると、良い状況とは言えません。
今の世の中、基本的にはモノが潤沢にある時代ですよね。
電化製品、車…… 色々なメーカーから自分の好みに合ったモノを選べます。
デフレ下で価格競争になり、それでも更にモノが売れないとなったらどうなるでしょう。
- 値下げしても売れない
- 業績が悪化する
- お給料が減る
- 雇用が安定しない
- 節約しなきゃ
- つまり財布のひもが固くなる
- さらにモノが売れない
- 世の中にお金がまわらない
お金がまわらないので、更にデフレ=不況に。
こうしてデフレが繰り返される状況が、デフレスパイラルなんです。
物価が少しずつ上がるのは景気が順調な証拠
デフレは良くないけど、急激なインフレ(物価の上昇)もまた困るジンバブエ。
ということで、ちょうどいい塩梅が2%の上昇率なんです。
お湯の温度と同じで、上がりすぎても熱いだけ。
と、同じようなイメージです。
物価が上がるということは、それなりに景気が良いということで、景気が良いというのはモノが売れているということです。
なぜモノを買いたくなるかというと、雇用の安定とお給料の支払いがあるからです。
大事なのは、こうして世の中のお金がしっかりと回ることなんです。
とよくま
2%の上昇率はずっと未達成
さて、今までお話しした2%の上昇率は、現在のところずっと未達成です。
ですが、政府(日銀)は何とかして、この2%を達成したいと考えています。
とよくま
そこで2016年、ショッカーがより強い怪人を送り込むかのように、マイナス金利政策を導入します。
マイナス金利政策とは、金融機関が日銀にお金を預けると、逆に金利をもらうよ!
という、割と大変な内容の話。
ぽちざいふ
そうなると、銀行は超低金利でも企業にお金を貸したほうが得ですよね。
ある意味では、そこまでカンフル剤を打ってでも、どうにかして良いお金の流れを作りたい!
と、いう状況なのです。
低金利は今後しばらく続く見通し
2%の物価上昇率を目標に2013年から色々な政策に挑戦してきましたが、なかなか達成できないということを先ほどお話ししました。
そして2020年、コロナの影響で経済は大きな打撃を受けました。
ただでさえ厳しい2%の上昇率の目標が、更に遠いものとなってしまいました。
こうした現状で金利を上げることは、今のところ考えられないかと思います。
変動金利は今後どうなる?【上がるのか】FPが予測する!まとめ
結論として、2%の物価上昇率が達成できるまでは、金利は大きく上がることはないと思います。
とよくま
最後に大事なこととして、金利だけが上昇するというのは、普通の状況だとあまり考えられない事態です。
金利が上がるというのは、その分景気も良くなってきたという事なので、それなりにお給料が上がっている状態なんです。
つまり、物価2%の上昇に合わせて、賃金も金利も同じくらい緩やかに上がっていく形となります。
とよくま
物価やデフレ、景気の回復が見込めないのに金利だけが上がったというディストピアは、ほぼあり得ないと考えていただいてもいいと思います。
ぼくたちの住んでいる国は、「日本」です。
日本に住んで住宅ローンを組んでいるという事は、それだけで安心していい事実だと思います。
さて、今回で変動金利のお話は終わりになります。
たぶんですが、ほとんどの人が変動金利を選ぶと思うので、隅々まで詳しくお話しました。
これからも住宅ローン大辞典は続きますが、変動金利について知りたいことがあれば、どうぞ遠慮なくお問い合わせください。
次は、いよいよ固定金利のお話になります!