今回は、全期間固定金利がどんな仕組みで決まっているかについて、レポートしてきたいと思います。
変動金利の決まり方とも関連性が深いので、合わせてお読みいただけるとより理解が深まるかと思います。
とよくま
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全期間固定金利は国債の利回りと連動している
全期間固定金利は10年国債の利回りに連動しています。
いきなりですが、10年国債の利回りの金利は、変動金利の大本となる短期プライムレートに比べるとかなり低いですね。
ぽちざいふ
とよくま
短期プライムレートは政策金利(国が決める)なので、名前に反して安定しているのが特徴的です。
ですが、10年国債の利回りは国債の影響を受けるので大きく変動しているのが特徴です。
ぽちざいふ
国債ってなんだってばよ?国にお金を貸すこと
ざっくり国債について知っていきましょう!
国債とは、国の借金です。
国にお金を貸すので、利息を払う、これが利回りとなります。
とよくま
正確には、利息と利回りはちょっと別の考え方で、国債独特の考え方があります。
仮に100円の10年国債を買ったとします、1年で1%の利息が付くとすると、10年で110円になります。
さらに株式と違い、10年であれば10年後に必ず額面(100円)の金額を国が返してくれます。
この2つのルールは、すでに約束で決まっています。
ですが、10年間売れないわけではなく、10年の間に売ったり買ったりできます。
国債の売買はその時の国債の相場に合わせて、お値段が決まります。
では、どうでしょう。
120円の国債を買って、5年後に100円のお金を国から返してもらうより、80円で買って100円返してもらう方がお得ですよね。
80円で買って、100円返してもらえば20円の利益になります。
もし仮にですが、残り5年の国債を買ったとしたら、こんな利益になります。
- 最後までもっていると20円得する(100円-80円)
- 5円の利息がもらえる(1年1円=1%の利息)
25円÷5年=5円(1年あたりの利益)
これで利回りが、わかります!
100円の国債÷5円(1年あたりの利益)=5%
つまり、この国債の利回りは5%という事になります!
ざっくりいうと、国債の価格が下がっていれば利回りが上がるという図式になります!
利息だけではなく、途中の債券価格も利回りの計算に含まれます!
10年国債の利回りが上がれば長期金利も上がる
国債の仕組みはともかく、これだけ覚えておけばOK!
のポイントを解説していきたいと思います。
もし、これから(来月の)全期間固定金利がどうなるかを知りたければ、10年国債の利回りをチェックしておきましょう。
10年国債の利回りが上がれば、長期金利が上がるので、全期間固定金利も上がります。
10年国債の利回りが上がるのはどんな時か
一言でいうと、インフレの時でさらに言うと、好景気な時です。
2021年2月にアメリカの長期金利が上がったことが話題になりましたが、これも10年国債の利回りが上がったことが原因でした。
要因としては、コロナのワクチンの効果が出ていることと、今までにない規模の経済対策の効果から、景気が回復すると予測されたことが原因です。
このように長期金利は、経済の体温計ともいわれています。
今現在の体温計というより、もうちょっと先の未来の景気はどうなるか。
という、予測が長期金利と言っていいと思います。
アメリカの10年国債をチェック!
現在、世界の景気はほぼ連動しています。
本来であれば各国それぞれの経済の状況で大きく違う感じがしますが、アメリカ中心に世界の景気が決まっていると考えていいと思います。
そのため、長期金利もアメリカの影響を受けます。
これは長期金利だけではなく、株も同じですよね。
変動金利とは直接の関係はない
SNSでとてもよく見かけたのが、長期金利が上がるので、変動金利が上がるという投稿です。
たしかにグラフを見ると景気によって、合わせて上下していますが、直接的にはまったくの別物です。
変動金利は、政府(日銀)がアナウンスしない限りは上がりませんが、長期金利は2021年2月のようにアメリカの影響で大きく変動したりします。
つまり、短期的な目線では別の指標ですが、長期的には景気に連動しているので景気が良ければ双方とも上がると考えていいと思います。
固定金利の決まり方を徹底解説まとめ
国債の価格と利回りが違うというのがややこしいですが、10年国債の利回りという事だけ覚えていただければ、いつでも指標にたどり着けると思います。
変動金利ほどではありませんが、ある程度日銀が金利を操作していますので、日銀の動向もチェックしておくとより長い視野で予測ができます。